〜ゾウリムシの化学走性〜

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ある刺激を受けた同一の動物が刺激源に対して方向性を持った同一行動を取る反応を走性という。

 

簡単に説明すると、照明の光(刺激源)に対して蛾は光の方向へ移動するが、ミミズは土の中へ、すなわち刺激源から遠ざかろうとする。このとき蛾は正の走性(刺激源にむかう)、ミミズは負の走性(刺激から遠ざかる)である。

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走性の仕組みを知るためにはゾウリムシが最適だと考え、実験することにした。まずは後輩に頼んで、5%、0.5%、0.05%の酢酸水溶液を用意してもらった。

5パーセントの酢酸水溶液は、食酢をそのまま使えばよい。

 

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ゾウリムシの培養液をスライドガラスに滴下し、低倍率で焦点をあわせて、ゾウリムシの存在を確認する。ゾウリムシの培養液に各濃度の酢酸水溶液をできるだけに中心に滴下し、変化を観察する。もしくは、各濃度の酢酸水溶液をしみこませたろ紙をスライドガラスの上に置き、変化を観察する。

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これは酢酸を加える前のゾウリムシの培養液を顕微鏡でのぞいてみたときの様子。点々一つひとつがゾウリムシである。

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5%の水溶液を滴下した後の顕微鏡の様子である。見て分かるように、ゾウリムシがいなくなってしまった。

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続いて、0.05%の酢酸水溶液を滴下した後の顕微鏡の様子である。見て分かる通り、ゾウリムシが大量に集まっている。(一つ目の写真)

 

ちなみに、0.5パーセントの酢酸水溶液を加えたところ0.05%ほどではないが、ゾウリムシが集まっていた。(二枚目の写真)

結果

5%→ゾウリムシはいなくなった。刺激に対して、負の走性を示した。

0.5%→ゾウリムシが集まってきた。刺激に対して、正の走性を示した。

0.05%→ゾウリムシがいっぱい集まってきた。刺激に対して、強い正の走性を示した。

 

ゾウリムシは弱い酸に対しては正の化学走性を示し、強い酸に対しては負の化学走性を示した。

 

これは、走性の逆転といわれる現象である。

 

ちなみに、ゾウリムシの培養液は生物の先生のものを許可を得て使いました。この実験をするなら、ゾウリムシを培養するところから始めると面白いかも^^

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