〜尿素SCRシステムの原理を探る実験〜
尿素SCRシステムって言うのはとりあえず窒素酸化物NOxを無害な窒素に還元されることを応用したシステムのことのようだ。詳しくは↓ |
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つまり、今回の実験は有害な窒素酸化物が尿素水によって無害な窒素に還元される様子を観察する実験というわけだ。今回は有色である二酸化窒素NO2を使って実験した。 |
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今回の実験は反応式を先に示したおいた方が良さそうなので、先に書いておく。
@ 一銅四硝でNO2を発生させる。当たり前だが、濃硝酸じゃないとダメだぞ。 Cu+4HNO3→Cu(NO3)2+2H2O+2NO2 A 尿素を水に溶かす CO(NH2)2+H2O→2NH3+CO2 B NO2と尿素水溶液を反応させる 6NO2+8NH3→7N2+12H2O
こんな感じで三つの手順で行う。そんでもってこれらの式を一つにまとめると C 3Cu+12HNO3+4CO(NH2)2→2CO2+7N2+14H2O+3Cu(NO3)2
となる。 |
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Cの式の係数の比で銅や硝酸、尿素水溶液を準備できれば理想的だが、還元されていく様子が見られれば問題なかったので、尿素水溶液と少しの銅片と少しの濃硝酸があればいい。それと気体を密封するためのゴム栓。
まずは尿素を水に溶かす(A) |
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写真のように銅片は小さいもので十分だ。硝酸も少しだけで問題ない。量は少しでも生成される気体の量は多い。 |
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濃硝酸を入れるとこんな風になる。赤褐色の気体がNO2である。(@)有毒気体。希硝酸だと、この気体は発生しない。銅と硝酸の反応が硝酸の濃度によって変化するのは理系の常識。 |
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NO2を尿素水溶液が入っているフラスコに移動させる。NO2は重い気体なので、フラスコを傾ければ勝手にもう一つのフラスコに移動してくれる。還元の様子をよく見るためにできるだけ多くNO2を移動させるようにしよう。この実験はドラフト内で行った方がよい。 |
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上の写真は移し替えたNO2である(左側)。中には尿素水溶液が入っている。それにゴム栓をして、よく振ってみると…
下のように無色になる。これはNO2が尿素水溶液の働きによってN2になったからである。 |