〜微生物の働きを調べよう(ビウレット反応とベネジクト反応)〜

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大がかりな実験にして俺の研究発表の内容が、この実験だ。分解者の働きを調べるのがこの実験の目的である。牛乳を使って、含まれているタンパク質や乳糖を分解者の働きによって他の物質に変化させることができるかどうか調べた。

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手順として第一に写真のように2リットルのペットボトルを半分に切り、フタがある方を使う。フタはちゃんと残しておこう。ペットボトルの形は対照実験をするということで統一するべきだ。まずは畑や林に行って表面の土を取ってくる。そしてさらに、その周辺を30cmほど掘り下げた土を別に採取してくる。

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土壌微生物によって有機物が分解されていることを確かめるため、土を色が変わるくらい鉄板状で焼いて微生物を殺した物を対照実験として利用する。

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タンパク質や乳糖が含まれている牛乳はそのままだと濃度が濃すぎるので、30倍に薄めて使用した。今回はメスシリンダーを使って30倍に薄めた。

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タンパク質や乳糖を他の物質に変化させたどうか調べるためにいくつかの薬品を用意した。タンパク質を確かめるビウレット反応のために水酸化ナトリウムと硫酸銅溶液、糖が含まれているかどうか確かめるベネジクト反応のためにベネジクト溶液を用意した。

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2時間かけて装置を作った。ペットボトルのフタのところに脱脂綿を詰めてフタを閉めた後、その後各土を入れ、土が沈むくらい十分な量の薄めた牛乳を入れた。その後、24時間放置する。

A:畑または林の表面の土に薄めた牛乳をいれたもの。

B:30cm以上掘り進めた土に薄めた牛乳をいれたもの

C:鉄板上で十分に焼いた畑または林の表面の土に薄めた牛乳をいれたもの

D:薄めた牛乳のみ

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一日経ったら、各装置の下にビーカーを置いてフタを外してろ過をした。そのろ過した液を各二本ずつ試験管に移した。畑または林の表面の土を用いた装置Aのろ液は透明で、腐敗臭のする物だった。

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一本目の試験管にはたくさんの量の水酸化ナトリウム溶液を加えて、硫酸銅溶液を数滴滴下した。タンパク質が含まれていると薄いピンク色に溶液が変化する。(ビウレット反応)二本目の試験管にはベネジクト溶液を数滴滴下した後、80℃くらいの熱湯で湯煎した。もし糖分が含まれていると写真のような褐色の沈殿が生じる。(ベネジクト反応)

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結果

Aタンパク質、糖分は検出されなかった。

Bタンパク質、糖分が検出された。(深層土なので微生物が少ない)

Cタンパク質、糖分が検出された。(鉄板で微生物を焼き殺したため)

Dタンパク質、糖分が検出された。(微生物がいないため)

この結果により、畑や林など土壌微生物が豊富なところではその働きによってタンパク質や乳糖は他の物質に変化していることが明らかとなった。

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